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Claude Managed Agents とは — Agent SDK・Tool Runner との違いと選び方(2026 年版)

約3分で読めます

「毎朝サイトを巡回して日報を書く」「夜間にリポジトリを点検して PR を出す」のようなエージェントを動かすとき、面倒なのはエージェントの中身ではなく周辺です。ループ、サンドボックス、再試行、状態の保存、秘密情報、スケジューラ、通知、観測。Claude Managed Agents は、この周辺を Anthropic 側が持つ仕組みです。

4 つの作り方を「誰が持つか」で分ける

Claude でエージェントを作る方法は 2026 年 10 月時点で 4 つあり、違いは「ループ(ハーネス)を誰が供給するか」と「実行基盤(デプロイ)を誰が持つか」の 2 軸で整理できます。

方法ループ実行基盤使えるツール向いている場面
Messages API で自作ループ自分自分自分で定義したものループを完全に制御したい
Tool Runner(client.beta.messages.tool_runner)SDK自分自分で定義したもの自前ツールだけのエージェントを手早く
Claude Agent SDKSDK(Claude Code 相当)自分Read / Write / Bash / Grep / WebSearch + MCP自分のサーバーでファイル操作系エージェント
Managed AgentsAnthropicAnthropicbash / read / write / edit / glob / grep / web_fetch / web_search + MCP + カスタムサーバーを持たずに運用。定期実行・長時間・状態保持

Tool Runner と Agent SDK は名前が似ていて混同されますが、どちらもハーネスだけを提供し、デプロイは自分です。Managed Agents だけが両方を Anthropic 側に置きます。

概念は 4 つ

概念正体寿命
Agent定義(モデル、システムプロンプト、ツール、MCP、スキル)。バージョン管理される永続。一度作って使い回す
Environmentコンテナの設定(ネットワーク方針など)永続。複数の Agent で共用
Session1 回の実行。Agent と Environment を指して作る。イベントの出入口1 タスク分
Containerセッションごとの隔離コンテナ。ツールはここで実行されるセッションと共に消える

重要なのは、エージェントループはコンテナの中で動いていない点です。Claude が考えてツールを呼ぶ部分は Anthropic のオーケストレーション層で動き、bash や write の実行だけがコンテナに届きます。

最小のコード

import anthropic
client = anthropic.Anthropic()

# 一度だけ: Environment と Agent を作り、ID を保存する
env = client.beta.environments.create(name="my-env", config={"type": "cloud", "networking": {"type": "unrestricted"}})
agent = client.beta.agents.create(
    name="Daily Site Reporter",
    model={"id": "claude-opus-5", "effort": "medium"},
    system="指示されたページを web_fetch で取得し、日本語の Markdown 日報を /mnt/session/outputs/report.md に書きます。",
    tools=[{"type": "agent_toolset_20260401"}],
)

# 毎回: セッションを作り、ストリームを開いてから最初の指示を送る
session = client.beta.sessions.create(agent=agent.id, environment_id=env.id,
    budget={"type": "limit", "max_list_cost": {"amount": "100", "currency": "USD"}})   # 上限 $1.00
with client.beta.sessions.events.stream(session_id=session.id) as stream:
    client.beta.sessions.events.send(session_id=session.id,
        events=[{"type": "user.message", "content": [{"type": "text", "text": "https://www.anthropic.com/news を巡回して日報を書いて"}]}])
    for ev in stream:
        if ev.type == "agent.message":
            print("".join(b.text for b in ev.content if b.type == "text"))
        elif ev.type == "session.status_terminated":
            break
        elif ev.type == "session.status_idle" and ev.stop_reason.type != "requires_action":
            break

最初にハマるのは 2 点です。ストリームを開いてから送る(開く前のイベントは流れてこない)、そして idle で即終了しない(requires_action はツール承認などこちらの応答待ち)。

運用で効く機能

  • Deployment(定期実行): cron 式とタイムゾーンで Anthropic 側がセッションを起こす。手動実行でテストでき、失敗は実行記録に残る
  • Vault(秘密情報): API キーはコンテナに入れず、許可したホスト宛ての外向き通信に出口で差し込む。プロンプトインジェクションで漏れない
  • Memory Store(記憶): セッションを跨いで残るファイル群。コンテナにマウントされ、通常のファイルツールで読み書き。全変更がバージョンとして残る
  • multiagent(複数エージェント): 安価なモデルのワーカーに並列で読ませ、まとめだけ上位モデルが書く
  • Webhook: 完了・失敗・一時停止を HTTPS で通知。ポーリング不要
  • Outcome: 「完成の定義」をルーブリックで渡し、合格するまで採点→修正を回す
  • 予算: セッションごとの上限(定価換算)。到達すると一時停止し、上げれば続きから動く

費用

項目単価
モデルのトークン各モデルの定価(Opus 5 は入力 $5 / 出力 $25 per 1M)
Web 検索1,000 回あたり $10
セッション稼働時間1 時間あたり $0.08

巡回して日報を書く程度なら 1 回数セント〜十数セントです。

向かないもの

ツール実行を自分のネットワークの中で握る必要がある(社内 DB、独自バイナリ、社外に出せない秘密)場合は、Claude Agent SDK を自分のサーバーで動かすか、Managed Agents の自己ホスト型サンドボックスを使います。短い単発の処理(1 回の分類や要約)には、エージェントそのものが過剰です。

注意

Managed Agents は 2026 年 10 月時点でベータ(managed-agents-2026-04-01)です。SDK がヘッダを自動で付けます。Agent / Environment / Memory Store の archive は取り消せないので、掃除のつもりでやらないでください。

最初のセッションから定期実行・Vault・MCP・記憶・複数エージェント・Webhook・本番運用までを、日報エージェントを題材に 13 章で通した本を Zenn で公開しています。第 1〜3 章は無料で、全サンプルコードは GitHub にあります。

動くコードと一緒に、体系的に学びたい方へ

WRITTEN BY

須山 真怜

須山 真怜

有限会社ボルボックス/株式会社good umbrella代表

多拠点経営・私設図書館運営。非エンジニアとしてAIを実務に活かすべく奮闘中。

よくある質問

QManaged Agents と Claude Agent SDK の違いは何ですか?
Agent SDK は Claude Code 相当のループと組み込みツールをライブラリとして提供しますが、動かすサーバーは自分で用意します。Managed Agents はループもサンドボックスも Anthropic 側が運用します。サーバーを持ちたくないなら Managed Agents、ツール実行を自分のインフラで握りたいなら Agent SDK です。
QManaged Agents の費用はいくらですか?
モデルのトークン(各モデルの定価)、Web 検索 1,000 回あたり $10、セッション稼働時間 1 時間あたり $0.08 の合計です。セッションに予算(budget)を付けると、上限で自動停止します。
Q定期実行はできますか?
できます。Deployment に cron 式とタイムゾーンを設定すると、Anthropic 側がスケジュールでセッションを起こします。クライアント側に常駐プロセスは要りません。
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