Claude Opus 5.5 の Fast mode を実測|速度2.26倍の料金と効く場面
Claude Opus 5.5 の Fast mode は、出力速度が実測で2.26倍になります。料金は標準の2倍で、出力は1Mトークンあたり$40です。2026年10月15日時点の情報です。
有効化はヘッダ不要、speedパラメータだけ
Opus 5.5では、fast-mode-2026-02-01ベータヘッダが不要になりました。申請や待機リストもなく、リクエストにspeed: "fast"を足すだけで使えます。
response = client.messages.create(
model="claude-opus-5-5",
max_tokens=4096,
speed="fast",
messages=[{"role": "user", "content": "..."}],
)
print(response.usage.speed) # "fast" か "standard"
実際にfastが適用されたかはusage.speedで確認します。Start / Build / Scaleの利用ティアにはFast modeの既定レート制限が最初から付きますが、Evaluationティアは対象外です。
Opus 5とOpus 4.8は従来どおり研究プレビューのままで、ヘッダとアクセス申請が必要です。対応面はClaude API(Managed Agentsを含む)とAzure上のMicrosoft Foundryで、Bedrock / Vertex / Claude Platform on AWSでは使えません。
実測:standard 75.7 tok/s → fast 171.0 tok/s
同じプロンプト(150語程度の説明文)を、standardとfastで交互に5回ずつ送って計測しました。モデルはclaude-opus-5-5、effortは既定のmedium、ストリーミングなし、東京からの実行です。
| 平均所要時間 | 平均 tok/s | |
|---|---|---|
| standard | 4.73 s | 75.7 |
| fast | 2.10 s | 171.0 |
倍率は2.26倍でした。tok/sはリクエスト送信から応答受信までの壁時計で割った値なので、TTFTと往復の遅延を含んでいます。公式の「最大2.5倍」はストリーミングで出力トークン毎秒だけを測れば、もっと近い数字になるはずです。
測定中に分かったことが2つあります。思考トークンの量は速度と無関係に揺れ、同じプロンプトでも19トークン前後の回と250トークン前後の回に分かれました。max_tokensを短く設定している場合、思考が長く出た回は本文が途中で切れる点に注意してください。もう1つは、fastの中にも遅い回があることです。最速の回と比べて2割遅い回があり、standardのばらつきより幅が広かったので、SLAを書くなら最悪値を基準にします。
料金は2倍、得をするのは誰かが待っている処理
| 入力 / MTok | 出力 / MTok | |
|---|---|---|
| Opus 5.5 standard | $4 | $20 |
| Opus 5.5 fast | $8 | $40 |
| Opus 5 / 4.8 fast | $10 | $50 |
Fast modeは全コンテキスト長で2倍の料金です。キャッシュ倍率とデータレジデンシ倍率はこの上にさらに重なります。今回の計測では、1回あたりstandardが約$0.008、fastが約$0.016でした。
2倍払って2.26倍速いので、人が待っている時間に値段が付く処理なら割に合います。誰も待っていない処理に払う理由はありません。
効く場面と効かない場面
効く場面は次の3つです。
- 人が画面で待つ対話UI。ストリーミングで字が出る速さが2倍以上になり、Opus 5.5の品質のままSonnet並みの体感に寄せられます
- コード生成エージェントの壁時計。1ターンで数千トークンの出力が続く処理は出力速度がそのまま所要時間になり、1時間のタスクが30分を切るなら人件費のほうがAPI代より重くなります
- 出力が長くターン数が少ない処理。利得は出力トークン毎秒に集中していて、TTFTは変わりません
効かない場面は次の3つです。
- 短い出力を大量に回す処理。TTFTと往復が支配的で、出力速度を上げても縮みません
- 夜間バッチや非同期の集計。Batch APIはFast mode非対応で、待てる処理ならBatchの50%引きのほうが有利です
- Priority Tierを契約している組織。Fast modeとは併用できません
運用でつまずく3点
speedを切り替えるとキャッシュが外れます。fastとstandardはキャッシュ接頭辞を共有しないため、「混んでいるときだけstandardに落とす」フォールバックを入れると、落とした瞬間にキャッシュミスの入力料金が乗ります。長いシステムプロンプトを載せているなら、フォールバックの頻度を監視してください。
レート制限は別枠で、超えると429が返ります。anthropic-fast-input-tokens-remainingとanthropic-fast-output-tokens-remainingのヘッダで残量が見えます。SDKはretry-afterに従って既定2回まで再試行するので、待たずにstandardへ落としたい場合は最初のfastリクエストだけmax_retries=0にして429を即座に受け取り、speedを外して再送します。ただしmax_retries=0はoverloadedや500の再試行も止めるので、そちらは元のリクエストを再発行する形にします。
-fast付きのモデルIDは引退しています。claude-opus-4-6-fastは黙って通常速度に落ち、claude-opus-4-7-fastはエラーになります。Fast modeはspeedパラメータで指定するもので、モデル名には含めません。
計測スクリプトの全文、Batch APIとの比較、思考トークンの詳しい挙動は元記事にまとめています。
https://zenn.dev/persimmoq/articles/claude-opus-5-5-fast-mode-benchmark
動くコードと一緒に、体系的に学びたい方へ
よくある質問
- QClaude Opus 5.5 の Fast mode を使うのに申請は必要ですか?
- 不要です。2026年10月15日以降、Opus 5.5ではベータヘッダなしでspeedパラメータだけで使えます。Opus 5とOpus 4.8は従来どおり研究プレビューで、ヘッダとアクセス申請が要ります。
- Q公式の「最大2.5倍速い」は本当ですか?
- 実測では壁時計基準で2.26倍でした。TTFTと往復の遅延を含めて測ったのでやや低めに出ましたが、誇張ではありません。ストリーミングで出力トークン毎秒だけを測れば、もう少し2.5倍に近づくはずです。
- QFast modeとBatch APIは一緒に使えますか?
- 使えません。Batch APIはFast mode非対応です。夜間バッチのように待てる処理は、Fast modeの2倍の料金より、Batchの50%引きのほうが有利です。
- Qstandardとfastを切り替えるとコストに影響しますか?
- あります。fastとstandardはプロンプトキャッシュの接頭辞を共有しないため、片方からもう片方に落とした瞬間、そのリクエストはキャッシュミスの入力料金で課金されます。
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